事業の目的

本事業は、民間事業者の経営ノウハウや先進技術、創意工夫により
次の3点を達成することを目的としています。

  • 01 民間事業者の経営視点を取り込んだ中長期的な投資戦略の改善
  • 02 収支バランスの取れた下水道事業の実施持続可能性の向上
  • 03 三浦市の魅力向上に資する下水道事業等の潜在的な価値の創出

事業の特徴

feature 01

国内初
処理場、ポンプ場、管路を含む公共下水道施設すべての運転・維持管理・更新を含んだ下水道コンセッション

三浦下水道コンセッション株式会社が行う本事業は、一処理区において、処理場、ポンプ場、管路を含む公共下水道施設すべての施設運転や維持管理、更新までを含む国内初の下水道コンセッション事業です。

三浦市の下水道事業に係る全ての設備を一元管理することで、スピーディーで柔軟な判断と、より効率的な事業運営が可能となります。

  • 東部浄化センター|水処理設備

  • 東部浄化センター|監視制御室

  • 金田中継センター|汚水ポンプ

feature 02

最先端テクノロジーで、全国の下水道事業に共通する課題解決に取り組む

様々なデジタル情報を活用し、最適化を図ります。これにより、設備更新費と維持管理費から構成されるライフサイクルコストを最小限に抑えることが可能です。

エンジニアリングと最先端テクノロジーの力で、三浦の暮らしを支える下水道事業を目指します。

事業スキーム

三浦下水道コンセッション株式会社の事業スキームの図

事業のエリア(東部処理区)

下水道事業提供エリア:三浦市の上記のエリアが東部処理区です。ここで下水道サービスを提供しています。 金田中継センター:東部浄化センターへ下水(汚水)を運ぶための中継地。下水(汚水)を低所から高所へ引き上げるためのポンプが稼働しています。 東部浄化センター:下水(汚水)を微生物の働きできれいにし、海へ返し、循環させるための施設です。

事業のポリシー

#01経営の最適化

民間企業のノウハウを活用した効率的な業務執行のもと、
経営の最適化を図り透明性の高い事業運営を行います。

  • 運営体制の最適化

    通常時はスリムな組織としつつも確実な運営管理を実現します。下水道運営には多岐にわたる専門知識や経験が必要となります。構成員から適時専門的な知見や技術を提供することで、確実な運営管理を実現します。

  • 機動的かつ確実なファイナンス

    必要資金は、株主からの調達を基本とし、資金調達コストを抑えます。経営の安定性・安全性を確保するために、必要十分なリザーブを確保します。

  • 強固なガバナンス

    経常収支比率、自己資本比率等をKPIとして設定し、経営状況を把握します。また重要事項達成を目的としたKPIも設定し、定量的に管理します。複層的なセルフモニタリング体制とし、国際規格の考え方に基づいた継続的な業務改善を実現します。

#02技術の高度化

データに基づく運営と適切な設備投資を行い、
維持管理を高度化します。

  • データに基づく運営と
    適切な設備投資

    デジタル情報基盤を構築して、各種データを一元的なデータベースとして集約し、劣化予測を含む精度の高いストックマネジメント計画や、最適な運転管理、施設・管路等の点検・修繕に活用します。散気装置、送風機や脱水機といった主要設備を実情に見合った規模にダウンサイジングし、ライフサイクルコストの縮減や脱炭素化を追求します。

  • 最適な技術導入による
    維持管理の高度化

    新たに導入する遠隔監視システムで24時間365日運転状況をモニタリングすることで、設備の安定稼働を実現します。既存水処理設備に計測装置や制御装置を設置し、送風量を自動制御する(水再清ロボット®)ことで、安定水質と省エネを両立します。

  • 下水道施設を活用した
    技術発展への貢献

    本施設を「技術実証フィールド」として大学や民間企業等に提供し、下水道技術の発展に貢献するとともに、本事業に適した新技術の開発・導入を促進します。

水再清ロボット®

水再清ロボット®は、株式会社ウォーターエージェンシーが開発したシステムです。当システムは独自の制御方法に基づき、流入下水から処理水質までをセンシングすることで、流入負荷変動に対する優れた応答性と処理水質に対する制御の安定性を確保します。これまでに全国で30カ所以上の実績を有します。

#03地域との協働

地域貢献の推進として、三浦市内での雇用促進や
下水道資源の農業活用を通じて地域貢献を推進します。

  • 地域貢献の推進

    三浦市にて地元企業への発注実績がある土木・建築工事、管路工事、維持管理業務等は、引き続き地元企業への発注を優先します。市内在住者の雇用を促進するため、事業期間中の三浦市在住の従事者割合を高めます。

  • 下水道資源×地元産業による
    価値創出

    下水熱等の下水道資源を農業に活用します。東部浄化センター敷地内に設置する農業ハウスでの栽培を試みます。作物の選定や栽培にあたっては、教育機関や市内農家などとの協働を計画しています。

  • 地元に愛される
    情報発信と協働連携

    市内で開催される祭りやイベント等へ参加し、事業を積極的にPRします。下水道施設への見学を積極的に受け入れ、三浦市の下水道事業を身近に感じていただきます。

事業概要

事業名 三浦市公共下水道(東部処理区)運営事業
事業方式 PFI法第 16 条により公共施設等運営権の設定を受けた運営権者が、
公共施設等の管理者である市との間で実施契約を締結し、
公共施設等について運営等を行う公共施設等運営事業(コンセッション方式)
対象事業
  • 1.主たる事業
    • (1)経営に関する業務
    • (2)各種計画支援に関する業務
    • (3)対象施設の改築・維持管理・増築に係る企画、調整、実施に関する業務
      ※増築は管路施設のみ
  • 2.附帯提案事業
    既存の処理工程に捉われない新たな処理工程の導入等
  • 3.任意事業
    運営権者等が自らの負担で行う独立採算の事業
対象施設
処理場
東部浄化センター
ポンプ場
金田中継センター
管路施設
(汚水)

管きょ

東部処理区全域

マンホールポンプ

上宮田 1 号~6 号、金田 1 号、下宮田 1 号~2 号、4 号、菊名 1 号~3 号
及び下宮田 3 号(ポンプ室)

マンホール
(マンホール蓋を含む)

東部処理区全域

公共汚水ます、取付管

東部処理区全域

事業期間 2023年4月~2043年3月(20年間)
事業主体 三浦下水道コンセッション株式会社
構成企業(株主企業) 前田建設工業株式会社
東芝インフラシステムズ株式会社
株式会社クボタ
日本水工設計株式会社
株式会社ウォーターエージェンシー